第164章 嫌われる

実は、あの車は工藤達央のものだった。さっき工藤達央がここへ来たとき、自分で運転してきた車である。

彼女たちが「車がどうこう」と話し始めても、工藤達央は何も言わなかった。

正直、相手にする気がない。会話に混ざるのも、声をかけられるのも、うんざりだった。

いまの工藤達央が望むのは、三浦会長が戻ってきたら岡山家の件をきちんと説明し、それだけ済ませて立ち去ること。

ここに一分でもいると、胸の奥がざわついて落ち着かない。

浜野未菜も窓辺へ寄り、二千万円を優に超える高級車を見つけると、露骨に羨望の色を浮かべた。

「世の中、いるのねえ……車に二千万円以上も出せる人って。私だったら、そんな大金、...

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